介護の現場で働いていると、思うように気持ちを伝えられない場面があります。忙しさや周囲の雰囲気を気にして、自分の話を途中で引っ込めてしまった経験は、多くの方にあるのではないでしょうか。
そんな中で、「最後まで話を聞いてもらえた」と感じた瞬間には、大きな意味があります。途中で話を遮られることなく、最後まで耳を傾けてもらえると、「ちゃんと向き合ってくれている」という安心感につながるのです。
特別なアドバイスがなくても、ただ黙って聞いてくれるだけで、「私はここにいていいんだ」と思えるようになる。これは、職場での人間関係だけでなく、利用者さんとの関係にも言えることです。
聞くという行為には、目に見えない思いやりが詰まっています。「あなたの話を大切に思っていますよ」という姿勢は、言葉以上に相手に届くものです。
「最後まで聞く」は、簡単そうでいて、意識しないと案外難しいことです。途中で口を挟みたくなったり、自分の意見を言いたくなったりする場面もあるでしょう。それでも、一度立ち止まって、相手の言葉をすべて受け止めてみる——それだけで、信頼の土台が築かれていきます。
かいご姉妹サロンでは、最後まで話を読んでもらえる、聞いてもらえるという安心感を大切にした投稿が日々交わされています。誰かにとって、受け止めてもらう場所になることを目指しています。
自分の話をきちんと受け止めてもらった経験がある方は、きっと次に誰かの話を聞くとき、そっと耳を傾けることができるはずです。