【小さな予定を立てる】一日の流れに“安心”をつくる

介護の現場では、突発的な対応がつきものです。
利用者様の体調変化や予期せぬご家族からの連絡、急な会議や緊急対応など、予定通りに進まないことは日常茶飯事です。そのため、計画を立てても「結局できなかった」という経験を繰り返し、予定を立てること自体を諦めてしまう方も少なくありません。


しかし、こうした変化の多い職場だからこそ、自分なりの「小さな予定」を持つことが、心の安定につながります。
ここで言う予定とは、大きな計画や分刻みのスケジュールではなく、あくまで「自分が無理なく実行できそうな小さな目標」です。


例えば、「午前中に記録を2件終える」「午後の巡回前に水分補給をする」「休憩中にお茶をゆっくり飲む」など。
このような目標は、変化の多い現場でも比較的守りやすく、達成感を得やすいのが特徴です。予定を一つ達成するたびに、小さな成功体験として心に蓄積され、仕事への自信や安定感につながります。


予定を立てるメリットは、単なる効率化だけではありません。
一日の流れに見通しが生まれることで、漠然とした不安が減り、気持ちが落ち着きます。逆に予定がまったくないと、その場その場の出来事に振り回され、終業時には「何をしていたのか分からないまま疲れてしまった」という感覚に陥りやすくなります。


ポイントは「完璧を目指さない」ことです。
状況によって予定を柔軟に変更する余白を持つことで、「できなかった」というストレスを減らせます。予定を守ることよりも、「予定を持って動くことで一日の軸を保つ」ことが大切です。


さらに、自分だけでなく、同僚と小さな予定を共有するのも効果的です。
「この後10分だけ資料整理します」「15時に一緒に申し送り確認しましょう」といった共有は、互いの動きを把握しやすくし、チーム内の連携をスムーズにします。


こうした工夫を継続していくと、突発的な出来事があっても「予定を修正して対応できる」という余裕が生まれます。
それは結果的に、利用者様への対応品質を保つことにもつながります。


かいご姉妹サロンでは、現場で実際に役立った「小さな予定の立て方」や、達成しやすくする工夫などを共有することができます。
他施設の職員がどのように日々の流れを組み立てているかを知ることで、自分に合ったやり方を見つけやすくなります。

日々の忙しさの中に、自分でコントロールできる要素を少しでも増やすこと。
それが、変化の多い介護現場で長く健康に働き続けるための、大切な一歩となるのです。