【“遠慮がち”な自分を変えたいと思った瞬間】利用者様の笑顔が背中を押した日

介護の現場では、相手の気持ちや状況を考えすぎて、自分の意見を控えてしまうことがあります。
「これを伝えたら負担になるかもしれない」「余計なことと思われたらどうしよう」――そんな迷いが、行動を止めてしまうのです。


しかし、ある時ふと、「もしこのまま何も言わなかったら、この方の快適さが損なわれるかもしれない」と感じる瞬間があります。

その瞬間こそが、遠慮を越えて踏み出すきっかけになるのではないでしょうか。

たとえば、利用者様の椅子の高さやクッションの位置がわずかに合っていないとき。

「大丈夫ですか?」と一言聞くことで、実は腰や背中の痛みを我慢していたことが分かる場合があります。その改善策を提案したときに見られる安堵の笑顔は、次の行動への大きな原動力になります。


遠慮を乗り越えるには、「自分のため」ではなく「相手のため」を意識することが有効です。
自分が注目されることや間違えることへの不安よりも、相手の安全や快適さを優先すると、自然と声が出やすくなります。


また、同僚や先輩との関係においても、遠慮が行き過ぎると情報の共有が遅れ、チームケアに支障をきたすことがあります。
「今の状況、共有しておきますね」と短く報告する習慣は、相手にも自分にも安心感を与え、職場全体の信頼関係を深めます。


もちろん、遠慮をまったくしないわけではなく、相手の状況や感情を見極めた上で行動することが大切です。
「タイミング」と「伝え方」を工夫すれば、角が立たずに意見を伝えることは十分に可能です。


かいご姉妹サロンでは、「遠慮を減らすためにしている工夫」や「一歩踏み出せた経験談」を共有する場があります。
自分だけでは気づけなかった視点や方法を知ることで、次の行動に自信を持てるようになるでしょう。


遠慮は思いやりの形でもありますが、時にはその殻を少しだけ破ることが、利用者様にも自分にも良い影響を与えます。
その第一歩は、小さな「気づき」と、その先の「行動」から始まります。