【意見が合わない時、どうやって歩み寄ってる?】「一度、相手の立場に立ってみる」

介護の現場では、多職種のスタッフや異なる経験年数の職員が協力しながら業務を進めます。

そのため、ケアの進め方や優先順位、利用者様への対応方法など、日々の中で意見が合わない場面は決して珍しくありません。

特に業務が立て込み、判断を急がれる場面では、自分のやり方を強く主張したくなることもあるでしょう。

こうした時に有効なのが、「相手の立場に立って考える」という視点の切り替えです。

例えば、相手が新人職員であれば、経験不足からくる不安や、慎重にならざるを得ない心理が背景にあるかもしれません。逆にベテラン職員であれば、これまでの成功体験や事故防止への強い意識から、より安全寄りの提案をしている場合があります。

こうした背景を理解できると、「ただ意見が違う人」から「納得できる理由を持った人」へと見方が変わります。

相手の視点を理解するためには、まず最後まで話を聞くことが不可欠です。
途中で遮らず、「なぜそう思うのか?」と問いかけながら話を深めると、意見の根拠や優先している価値観が明らかになります。

その上で、自分の案と相手の案の双方から良い部分を抜き出し、折衷案を作ることも可能になります。

また、この「話を聞く姿勢」そのものが、相手との信頼関係を築く土台になります。

「自分の話を受け止めてもらえた」という安心感は、その後の協力的な関係を生みやすくします。逆に、相手の話を途中で否定してしまうと、防御的な態度を取られ、歩み寄りは難しくなります。


意見の違いは、必ずしも悪いことではありません。
異なる視点や経験が交わることで、新しい解決策が生まれる可能性もあります。

大切なのは「どちらが正しいか」ではなく、「どうすればより良い結果になるか」という目的を共有することです。

日常的にこの意識を持ち、相手の立場を想像しながらやり取りを重ねることで、職場の雰囲気は徐々に変わります。衝突は減り、建設的で前向きな議論が増えていくでしょう。

利用者様にとっても、職員同士の連携が円滑になることは、安心感やサービスの質向上につながります。

かいご姉妹サロンでは、こうした意見のすり合わせや歩み寄りの工夫について、他施設の事例や実践方法を共有することができます。

自分の職場以外のやり方や考え方に触れることで、新たなヒントや視野の広がりを得られるかもしれません。

相手の立場に立つことは、時に自分の意見を修正する柔軟さを求められます。
しかし、それは妥協ではなく、より良いケアを実現するための協働の一歩なのです。