介護の現場では、利用者様や同僚の小さな努力や変化が日々積み重なっています。
しかし、忙しさの中でそれを見過ごしてしまうことも少なくありません。ほんの少しの変化や前進こそが、本人の自信や安心感につながる大切な要素です。
例えば、昨日よりも立ち上がりがスムーズになった利用者様、苦手だった作業を自ら進んで取り組んだ職員。そうした瞬間に気づき、言葉にすることができるかどうかが、現場の雰囲気にも影響を与えます。
褒めることは、相手に自分の行動の価値を再認識させ、次の意欲を生み出すきっかけになります。しかも、それは大げさである必要はなく、具体的で短い言葉が効果的です。
「今日の歩き方はとても安定していましたね」「先ほどの対応、とても穏やかで利用者様が安心されていましたよ」といったように、事実に基づいたフィードバックは、相手の行動を肯定的に記憶させます。
一方で、褒めることに抵抗を感じる人もいます。
「言わなくても伝わっているはず」「特別なことではない」という意識が、声かけの機会を減らしてしまうこともあります。しかし、日常的な褒め言葉はモチベーションを保つ栄養のようなもので、積み重ねることで信頼関係が育まれます。
こうした小さな努力や変化を認め合える職場づくりを目指すために、かいご姉妹サロンでは褒め方や声かけの工夫についても意見交換できる環境を整えることを目指しています。
現場で感じた気づきを共有することで、自分では思いつかなかった褒め言葉や視点を知るきっかけになるかもしれません。
褒めることは特別なスキルではなく、意識を向けることで誰にでもできるものです。
小さな変化を見逃さず、言葉にして伝える習慣が、介護現場をより温かな場所に変えていきます。