誰かから「お願いできますか」と声をかけられる瞬間は、自分が信頼されている証でもあり、大きなやりがいを感じる場面です。
しかし、そうした嬉しさの裏側に、心の中で小さなため息がもれることもあるでしょう。
それは、自分の手元にすでに多くの作業や予定があり、余力が少ないときほど顕著に現れます。
頼られることは名誉でもありますが、それが積み重なると、心身のバランスを崩す原因にもなりかねません。
こうした負担感は、必ずしも相手のせいではなく、自分の状況や限界との関係で生まれることが多いです。
たとえば、連日の忙しさで休む時間が取れていないときや、別の課題に集中しているときは、どんな小さな頼まれごとでも重く感じるものです。
そのため、まずは「自分の余力がどれくらい残っているのか」を客観的に把握することが大切です。
無理をして引き受けると、一時的には感謝されても、後から疲労やストレスとなって自分に返ってきます。
結果的に、次に頼られたときに応えられない可能性もあります。
それよりも、「今は別のことで手一杯なので、少し後でもいいですか」といった正直なやり取りを心がける方が、長期的に見て信頼を保てることがあります。
こうした対応の仕方について意見を交換したいときには、サロンを活用してみるのも良い方法です。
そこで「こういう状況のとき、どう対応していますか？」と投げかければ、同じような立場の仲間から実用的なアドバイスや、自分では気づかなかった考え方が返ってくるかもしれません。
安心して話せる場があることは、心の負担を和らげ、次に頼られたときの対応力を高める助けになります。
頼られることは、信頼関係を築く大事なきっかけです。ただし、それを長く続けるためには、自分の限界を理解し、必要に応じて支援を分け合う姿勢も欠かせません。
感情と状況のバランスを保つ工夫を持つことで、喜びと責任の両方を健やかに受け止められるようになります。