介護の現場では、「話すこと」よりも「聞くこと」に、より深い意味があることがあります。
ご利用者様が何度も同じ話をされるとき、そこには安心したいという気持ちが込められていることもあります。
ただ耳を傾けるだけで、「この人は、私の存在を受け止めてくれている」と感じてもらえる瞬間があります。
言葉の内容よりも、「そこにいる」ことが大切になることも少なくありません。
職員同士でも、業務の合間にほんの数分、話を聞いてもらえたことで、気持ちが軽くなることがあります。
「ちゃんと聞いてくれている」という感覚が、人とのつながりを強くしてくれます。
対話の時間は、忙しい毎日の中でつい削られてしまいがちですが、
ほんのひとときでも向き合うことで、職場にも、心にも、温かな風が吹き込むのではないでしょうか。